手造り石灰土間、三和土

自然素材を多用して家を造っている当社では、コンクリート土間以外に、安価で安全な土間はないものかと模索していました。そこで、昔の施工方法にならって土間を造ってみようと考えました。写真の左は石灰土間試作、右は三和土(1ヶ月以上経過)。結論は、三和土(たたき)は上出来でした。石灰土間はまあまあの出来でした。石灰土間は比較的安く施工できますので良いものと思いますが、多少のひび割れ(修正出来ます)と少しポロポロと砂が取れてきてしまいますので、僕は好きですが、嫌な人も多いだろうなと思う土間でした。施工出来る環境も制限されますので、どこにでも使用できるものではありませんが、安価で容易に施工出来るし簡単に補修も出来るので面白い土間だと思いました。
古い家などで、床下に土間を打っていない、土や砂がむき出しになっていて湿気がある場所には、石灰土間は、白アリ対策と調湿対策に活用出来るので、いいものだなと考えました。(石灰土間はどこへでも施工出来るわけではありませんので、少しだけ注意が必要です)
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一番最初は、水酸化カルシュウムと砂を混ぜて土間をつくりました。これは、グランドに白線を引く時に使用する白い粉と説明するのがわかりやすいですね。水酸化カルシュウムの他に苦汁を入れても出来るそうです。
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石灰と砂の比率は1:3で混ぜました。
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こんな感じでサラサラです。ならしてから、木で叩いて締め固めます。
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そうすると、この様になります。その後は放置します。一週間もかからずにカチカチに固まります。
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その他に、モルタルに弁柄(べんがら・紅い色)と外壁に塗装するときに使用する木炭粉を入れて(黒)サンプルを造ったのですが、1週間もすると白化現象が現れてしまいました。これは、セメントに含まれている水酸化カルシュウム等が炭酸カルシュウムへ変化して固まったモノだと思います。布で拭いても取れません。原因は寒い時期に倉庫へ置いてしまい、温度が低かったため、白化したのだと思います。白化防止剤を入れたモノは白化しませんでした。
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黒い土間は乾く前に何度も何度もコテで磨いてピカピカにするものですが、2回しか撫でなかったのでつや消しになりました(笑)

ピカピカの鏡面仕上げは、気が遠くなるほど手間が掛かるモノであることを身をもって体験しました。
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ヒビが入ってしまいましたが、つや消しも悪くないです。
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次回は、黒ではなく限りなく黒に近いグレーの土間を造つくろうと思っております。自然素材で出来るだけコストを掛けないで、耐久性があってカッコイイ素材を探してご提案出来るように努力しております。