在来木造住宅の断熱・耐震改修 その18

1.耐震・断熱改修工法
診断・施工の流れが理解出来るようになっています。

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1)背   景
 本改修工法は、断熱性能を向上させながら柱梁接合部を補強し、さらには、既存のモルタル外装を利用して耐震性能を高めることができる工法です。
 モルタル外壁は全国的にも多く施工されていますが、道内において建設が盛んであった当時は断熱・気密施工技術が未成熟であったため、ラスを止めるステープル等が劣化し、地震発生のたびに、モルタル外壁で断熱改修が必要と思われる住宅には、その建設年代から判断して耐震改修も必要と思われる場合が多く、第一部でも述べたように、断熱改修と耐震改修を同時に実施することが合理的であり経済的です。
 本改修工法は、既存住宅の良質化(耐震性能向上)と超寿命化(断熱性能向上)をローコストで実現し、かつ、地域工務店で施工可能な改修工法として大学・。NPO人と共に共同研究開発※したものです。
     
※ 北海道立北方建築総合研究所の共同研究「断熱改修時における外壁の耐震化構法
に関する研究(室蘭工業大学・NPO法人外装テクニカルセンター、平成15〜16年)」において基本技術の開発・効果の検証を行い、重点研究「北海道の木造住宅の耐震改修促進を目的とした耐震診断・補強効果評価法に関する研究(平成18〜20年度)」においてブラッシュアップを図っている改修工法です。
2)特   徴
1.既存の面材の残存耐力を活用して、施工手順・加工手順・廃材を最小限に抑えた工法です。
2.地域の一般工務店でもすぐに施工可能で、特殊な断面の部材・材料を使用しない事により、コストが抑えられます。
3.外張り断熱工法として併用して、断熱性能を高めることができます。
3)適用の範囲
A工法
1.「木造住宅の耐震診断と補強方法((財)日本建築防災協会発行)」が適用名脳既存在来木造住宅
2.躯体が劣化していない、或いは躯体の劣化に係わる改修を終えた既存在来木造住宅
B工法
3.上記の条件を満たし、かつ、モルタル外装仕上げを有する既存在来木造住宅。
           
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