オーストリア・スイスパッシブハウス木造建築研修_その13 _ウルフ・ギャング・ファイスト教授の講義

インスブルック大学へは、ウルフ・ギャング・ファイスト教授の講義を受けるために来た。講義は約1時間、その後食事会などで話を聞くことができた。
【簡単メモ】
パッシブハウスというのは、「メソッドロジー」つまり方法と呼んでいる。
あくまでも、方法論なのである。
地球に居る。そこには責任がある。持続可能なシステムが必要。
今やっていることを何も破壊しないで使い続け居ることをサスティナブルと思っている。
IEAは、2006年までには、地球上の環境に対して殆ど問題無いと思っていた。
IEAは、2008年に考え方が変わった。
現在の状況は、持続可能ではない、でも、何とか出来る可能性がある。
ほんとにやらなければならないことは、エネルギーレボリューション(改革)をしなければならない。エボリューション(変改していくことを私たちは考えている)
暖房使用料の変化は、18L/?ーーー→1.5L/? にすると1/10以下になる。
一軒の家のサイズは120?140?が平均である。(3000L)
ヨーロッパのエネルギー消費量の40%が暖房と換気である。
交通に消費されるのは、25%だけなのである。それだけ住宅に使用されている量が多い。一般的には、交通の為の消費量が多いと思われている。
だから、車のハイブリットより住宅やビルのハイブリット化がより急がれるのだ。
パッシブハウスは外から見ても、わからない。外観では、一般の家と区別が付かない。だから、性能を証明する確かな証明書が必要。
パッシブハウスは、温度差のあるところに必要である。逆に、温度差の少ない、過ごしやすい温暖な場所では必要とされにくい。気候の環境が悪ければ悪いほどその性能を発揮することが出来、体感することが出来る。
ドバイでも、パッシブハウスを建てたが、サンフランシスコなどの湿度佐野少ないところは、あまり必要とされない。
【ドイツ、パッシブハウス5つの方法】
1 正しい断熱を施工する
2 (コールドブリッジをつくらない)
3 窓ーー→トリプルGL ヒートトランスファーが少ない日本にもおすすめ ブラインド
4 気密(地震が多くあるところは、ダメージが多い)・換気 フレッシュエアーを入れて熱回収をする湿度のコントロール。
5 断熱がよくなれば、室内環境も同時に良くなるのです。
エネルギーを今のまま同じ使用方法をすると2030年には、46%増えてしまうので、他のシナリオを考えなければならない。再生可能なエネルギーを使用する。例えばバイオ燃料などへ替えなくてはならない。
エネルギーを効率よく使うことは、再生可能なエネルギーを使用する大切な事です。エネルギーの効率を良くすることは、直接ビジネスに繫がるのです。
施工として大切な事は、正しい断熱・気密施工をすることがとても大切なのです。ヨーロッパでも当初は、気密を高めるのは、非常に難しいと思っていたが、現在は、あらゆるシステムや対応する商品がある現在はとても簡単になったのです。
一般の人が気付いていないこと!!家のハイブリッド化が大切である。車の燃費を考えるよりも家の燃費を考えた方がいいのだ。これが、現実なのです。
特に日本の場合は、注意が必要である。地震があっても亀裂が入らないような施工が大切である。気密性能が失わない施工が求められる。ウレタン発泡のみの施工やプラスチック系の外断熱で気密をとっている工法は、特に注意が必要。完工後数年で気密性能が落ちる。もしくは、たった一度の大きな揺れで台無しになる。
パッシブハウスを成功に導くのは、理論だけではなく、数字を使うこと。シュミレーションする事が大切なのです。PHPPソフトを使用することが大切なのです。
などと、メモをしていた。
「IEAは、2006年までには、地球上の環境に対して殆ど問題無いと思っていた。」と言っていたが、特別な調査をしなくても2006年の時点で環境に対して対策が必要だと普通の人間だったらわかるはずなのに、2008年までそれを発表していなかったことに一番驚いた。IEAは、石油消費国による機関のため、わかっていても発表しなかったのだと思う。と言うことは、その機関が発表したということは、手遅れに近いからなのかな?と思った。
もう一つ、「車の燃費を考えるよりも家の燃費を考えた方がいいのだ」とあったが、交通に消費されるエネルギーよりも暖房と換気に消費されるエネルギーが多いとは一般的には、イメージしにくいためビックリした人も多いと思う。ぜひ、ハイブリットの車へ交換する前に、自宅や会社をパッシブハウスかパッシブリフォームをして頂き、エネルギー消費量を1/10以下へ減らして頂きたいと思いました。


 
つづく